スキー・スノーボード
コンディショニング
プログラム

Ski/Snowboard
Conditioning
Program

 

スキーやスノーボードはレジャーとして楽しまれることが多い一方で、実際には身体に大きな負荷をかける高強度のスポーツです。

一般的なスノーボードセッションは最大で6時間にも及び、平均心拍数は最大心拍数の約72％に達するといわれています。
一方で、トップアスリートたちは、高い衝撃に耐え、ケガのリスクを減らすために、強力な下肢筋力・爆発的パワー・持久力を必要とします。

アルペンスキーでは疲労が生理的・バイオメカニクス的パラメータに影響を及ぼし、クロスカントリースキーでは人間の持久力の限界が試されます。
また、ケガの傾向も異なり、スキーでは下肢の損傷が多く、スノーボードでは別の部位に障害が起こりやすいと報告されています。

こうした競技特性を踏まえると、それぞれの種目に適した体系的なトレーニングとコンディショニングプログラムの重要性が強調されます。

スノーボード

< Evidence-Based Practice >

 

  • スキーおよびスノーボードのトレーニングに関する研究では、身体的・技術的・精神的要素を統合した多面的アプローチの重要性が強調されています。
  • 国際スキー連盟（FIS）のコンセンサスステートメントでは、アルペンおよびフリースタイル競技選手のための包括的なトレーニングおよびテストに関する推奨事項が提示されています（Spörri et al., 2025）。
  • 筋力トレーニングはパフォーマンス指標を有意に向上させ、特化したプログラムによりスキー選手の踏み切り速度やジャンプ高を改善します（Liu et al., 2023）。
  • シミュレーションを用いた運動学習や心理的レジリエンスのトレーニングなど、運動およびメンタルトレーニング要素を組み合わせることで、技術的精度・協調性・競技成績の向上が認められています（Marcyś et al., 2025）。
  • バランストレーニングは特に有効であり、8週間の複合プログラムにより若年アルペンスキーヤーの動的安定性が改善し、下肢の左右差が軽減されることが示されています（Słomka et al., 2018）。
  • クロスカントリースキーでは、筋力トレーニングとスキーエルゴメータートレーニングの両方が同様の生理学的改善をもたらし、特に女性選手に有効であると報告されています（Carlsson et al., 2017）。
  • 特殊準備エクササイズにより、筋力・パワー・持久力などの身体的特性が大幅に向上します（Polevoy, 2024）。
  • エビデンスに基づいたストレングス＆コンディショニングプログラムは、身体的要求が高まるフリースタイルスノーボードにおいて不可欠であり（Dann & Kelly, 2020）、オリンピックレベルのトレーニングでは、競技特性に対応した高度なピリオダイゼーションが求められます（Gilgien et al., 2018）。
スキー

< Exercises & Trainings >

  • Strengthening & Endurance
    • スクワット – Squat
    • ルーマニアンデッドリフト – Romanian Deadlift
    • ラテラル・ステップ ダウン – Lateral Step-Down
    • ジャンプスクワット – Jump Squat
    • プランク・ウィズ・ショルダータップ – Plank with Shoulder Tap
    • ロシアンツイスト – Russian Twist
    • アンタイ・ローテーションプル – Anti-Rotation Pull
    • ケトルベル・スクワットホールド – Kettlebell Squat Hold

 

  • Balance & Coordination
    • BOSU シングルレッグバランス – BOSU Single-Leg Balance
    • シングルレッグ・ルーマニアんデッドリフト – Single-Leg Romanian Deadlift
    • ラテラルホップ・オーバーライン – Lateral Hops over Line

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< Reference >

  • Spörri, Jörg, Oriol Bonell Monsonís, Peter Balsiger, et al. “International Ski and Snowboard Federation (FIS) Consensus Statement on Training and Testing in Competitive Alpine and Freestyle Skiers and Snowboarders.” BMJ Open Sport & Exercise Medicine 11, no. 3 (2025): e002623. https://doi.org/10.1136/bmjsem-2025-002623.
  • Liu, Shuo, Zhenzhong Liu, and Jin Wang. “STRENGTH TRAINING METHODS FOR SKIERS.” Revista Brasileira de Medicina Do Esporte 29 (2023): e2022_0654. https://doi.org/10.1590/1517-8692202329012022_0654.
  • Karol Marcyś, Wojciech Ługowski, Julia Samek, et al. “TYPES OF MOTOR AND MENTAL TRAINING AND THEIR IMPACT ON IMPROVING SKIERS’ SKILLS – A REVIEW ARTICLE.” International Journal of Innovative Technologies in Social Science 2, no. 3(47) (2025). https://doi.org/10.31435/ijitss.3(47).2025.3409.
  • Słomka, Kajetan J., Michał Pawłowski, Justyna Michalska, Anna Kamieniarz, Anna Brachman, and Grzegorz Juras. “Effects of 8-Week Complex Balance Training in Young Alpine Skiers: A Pilot Study.” BioMed Research International 2018 (November 2018): 1–9. https://doi.org/10.1155/2018/6804534.
  • Carlsson, Tomas, Lars Wedholm, Johnny Nilsson, and Magnus Carlsson. “The Effects of Strength Training versus Ski-Ergometer Training on Double-Poling Capacity of Elite Junior Cross-Country Skiers.” European Journal of Applied Physiology 117, no. 8 (2017): 1523–32. https://doi.org/10.1007/s00421-017-3621-1.
  • G G, Polevoy. “The Use of Special Exercises in the Preparatory Period of Skiers.” Bangladesh Journal of Medical Science 23, no. 3 (2024): 818–25. https://doi.org/10.3329/bjms.v23i3.75115.
  • Dann, Rick A., and Vincent Kelly. “Evidence-Based Strength and Conditioning Plan for Freestyle Snowboarding Athletes.” Strength & Conditioning Journal 43, no. 5 (2021): 1–11. https://doi.org/10.1519/SSC.0000000000000619.
  • Gilgien, Matthias, Robert Reid, Christian Raschner, Matej Supej, and Hans-Christer Holmberg. “The Training of Olympic Alpine Ski Racers.” Frontiers in Physiology 9 (December 2018): 1772. https://doi.org/10.3389/fphys.2018.01772.

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