水泳競技
コンディショニング
プログラム

Swimmers
Conditioning
Program

 

速く泳ぐために必要なのは「水中練習」だけではない

水泳は水中動作が中心の競技ですが、高いパフォーマンスを支えているのは、水中で発揮される力を生み出す「身体の土台」です。

実際、推進力・姿勢制御・肩の安定性・スタートやターンの爆発力は、水中練習だけでは十分に高めることができません。

その土台を作るのが、エビデンスに基づいて設計されたドライランド・コンディショニングです。

水泳

エビデンスが示す「水泳パフォーマンスに必要な身体能力」

① 上肢の筋力と牽引能力

ストローク中の推進力は、
肩関節単独ではなく 体幹を介した上肢の牽引力 によって生み出されます。

  • 上肢筋力の向上はストローク効率の改善と関連

  • 肩関節への局所負担を軽減しやすい

(Crowley et al., 2018)


② 体幹の安定性(Core Stability)

体幹は「固定」するためだけでなく、
水中での姿勢制御・回旋制御・力の伝達に重要です。

  • 体幹安定性が低いと、推進力が分散

  • 肩への負荷が増大しやすい

(Raineteau et al., 2024)


③ 下肢の筋力と推進力

水泳では下肢の役割が過小評価されがちですが、

  • スタート

  • ターン

  • 姿勢の安定

において、下肢筋力はパフォーマンスを大きく左右します。

(Kwok et al., 2021)


④ 爆発的パワー発揮能力

短距離種目やターン局面では、
**最大筋力よりも「どれだけ速く力を出せるか」**が重要になります。

  • 爆発的パワー重視の介入で競技成績が改善

  • 特にスプリント系で効果が顕著

(Amaro et al., 2017)

バーピー

Evidence-Based トレーニング原則

原則①

「肩だけを鍛えない」

水泳障害の多くは肩に出現しますが、
原因は 体幹・股関節を含めた運動連鎖(SSKC)の破綻 にあることが多いです。

👉 肩の強化は「全身の安定性」の上に成り立つ


原則②

「筋力 → 安定性 → パワー」の順で構築する

いきなり爆発的トレーニングを行うのではなく、

  1. 基礎筋力

  2. 姿勢・体幹の制御

  3. 水泳動作につながるパワー発揮

という順序が、
パフォーマンス向上と障害予防の両立に重要です。


原則③

「水中動作につながる要素」を陸上で準備する

ドライランドの目的は、
筋肉を大きくすることでも、重量を扱うことでもありません。

  • 水中での力の伝達

  • 姿勢の再現性

  • 疲労下でのフォーム維持

👉 水中パフォーマンスに転移する要素を狙って構成することが重要です。


原則④

「ドライランドは補助、主役は水中」

エビデンスが示すのは、

  • ドライランドは有効

  • しかし、水中練習の代替ではない

という点です。

👉 水中練習量・疲労度を考慮し、
タイミングと負荷を調整する視点が欠かせません。

< Reference >

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  • Gilgien, Matthias, Robert Reid, Christian Raschner, Matej Supej, and Hans-Christer Holmberg. “The Training of Olympic Alpine Ski Racers.” Frontiers in Physiology 9 (December 2018): 1772. https://doi.org/10.3389/fphys.2018.01772.