上腕二頭筋

Biceps Brachii

上腕二頭筋は、上腕部に位置する大きな筋肉です。この筋肉には長頭と短頭の2つの頭部があり、肩関節近くの異なる地点から始まり、合流して一つの筋肉となります。この筋はよく発達すると際立つため、身体的な強さやフィットネスと関連付けられます。そのため多くの人は、この上腕二頭筋が最も強い腕の屈曲筋だと思いがちですが、実はそうではありません。

上腕二頭筋のメインな動作は、手のひらを上に向ける前腕の回外で、最も強い腕の屈曲筋は、実は上腕筋です。

上腕二頭筋 モデル

上腕二頭筋

Anatomy

[起始]

  • 長頭:肩甲骨の関節上結節
  • 短頭:烏口突起

[停止]

  • 橈骨粗面、上腕二頭筋腱膜

[作用]

  • 腕の回外
  • 肘関節の屈曲
  • 肩関節の屈曲補助

Clinical Relevance

上腕二頭筋 長頭腱の断裂

この断裂は35歳以上でよく見られます。この筋腱が上腕骨の結節間溝で前後に動き、その摩擦から炎症を起こした結果として断裂が起こります。断裂は通常、スナップやポップ音と共に起こり、離れた筋肉の腹部は、腕の前側の遠位部の中央近くにボール状の膨らみを作ります。二頭筋腱の断裂は、過度の負荷などがきっかけで引き起こされますが、その腱自体を弱める長期的な腱炎とともに発生しやすいです。それは、水泳選手や野球のピッチャーのような、オーバーヘッドモーションの反復運動の結果として引き起こされます。

上腕二頭筋長頭は、肩関節全体の機能に対しては実はそれほど重要でなく、断裂しても周囲の筋肉がそれを補うことができます。したがって、断裂した状態でも良好な腕の機能を維持することができる場合が多いです。

~ Evidence-Based Exercises ~

EMGを用いた研究によると、上腕二頭筋の筋収縮が強く現れたのは以下のトレーニングでした;

  • Concentration Curl
  • Cable Curl
  • Chin-Ups

解剖学的に上腕二頭筋長頭はその起始の位置から、腕が体より後ろにある状態にてより強く筋収縮が起こります。(例:インクラインダンベルカール)

逆に上腕二頭筋短頭は、腕が体より前にある状態で優位に収縮します。(例:プリーチャーカール)

しかし、これらのエクササイズは一方に優位ということであって、どのエクササイズでも両方の上腕二頭筋は収縮することは頭に入れておいてください。

Concentration Curl

上腕二頭筋 トレーニング

Cable Curl

man cable pull

Chin-Ups

上腕二頭筋 懸垂

< Reference >