エビデンスが示す「雪上スポーツに必要な身体能力」

① スキー・スノーボードには多面的（physical × technical × mental）トレーニングが必要

研究は、

• 筋力

• 技術学習

• 心理的レジリエンス
  を統合したプログラムが最も効果的であると示しています。
  （Spörri 2025）

② 下肢筋力と爆発的パワーは競技パフォーマンスの中心

特にアルペンスキーでは、筋力トレーニングが

• 踏み切り速度

• ジャンプ高

• エッジングの力強さ
  を改善します。
  （Liu 2023）

③ バランストレーニングは動的安定性を大きく向上させる

8週間の複合トレーニングで、若年アルペンスキーヤーの

• 動的安定性

• 左右差の減少
  が認められています。
  （Słomka 2018）

④ スキー選手は“筋力 × スキー特化エルゴトレーニング”が最も効果的

特にクロスカントリーでは、筋力とエルゴメーターの併用が
同等の生理学的改善を示し、女性選手で顕著。
（Carlsson 2017）

⑤ 特殊準備エクササイズ（sport-specific prep）が大きな効果をもたらす

筋力・パワー・持久力が大幅に向上し、
雪上動作の効率も改善。
（Polevoy 2024）

⑥ フリースタイル種目は身体的要求が特に高く、包括的S&Cが不可欠

Dann & Kelly（2020）は、フリースタイルスノーボードでは
筋力・パワー・空中制御・着地安定性 が高度に必要と報告。

さらに、オリンピックレベルでは競技特性に合わせた高度な周期化が求められます。
（Gilgien 2018）

Evidence-Based トレーニング原則

① 下肢筋力は“滑りの安定 × ターンの質 × ケガ予防”を決める

特に大腿四頭筋・ハムストリング・臀筋の強化は重要。

② バランス能力は雪上スポーツの最重要スキルの1つ

不整地・斜度変化・エッジングに対応するには
動的安定性（Dynamic Stability） が不可欠。

③ 体幹の反応的安定性（Reactive Core Stability）がパフォーマンスを左右する

着地・ターン・エッジングなど、
多くの動作で“瞬間的なコアコントロール”が必要。

④ 爆発的パワーはジャンプ・ターン・加速を支える

特にスノーボードのキッカー・パーク種目では必須。

⑤ 心肺持久力は“長時間滑り続ける能力”を決める

最大心拍数の70％以上で何時間も動ける
“疲れにくい身体” が事故防止にも直結します。

⑥ 技術 × 体力 × メンタルの統合トレーニングが必要

シミュレーション学習・メンタルトレーニングも
競技精度と安定性を高める要素です。