棘上筋
Supraspinatus
棘上筋は、肩甲骨と上腕骨を繋ぎ、肩関節の安定に最も重要な筋肉です。 この筋は、肩を奥で支えている「回旋筋腱板(ローテーターカフ)」と呼ばれる筋肉のうちの1つであり、肩関節のどんな動きに際して先に動員される筋肉です。
また、そのユニークな働きと位置から、怪我や加齢変化などで炎症を起こしやすい筋肉と言われています。
棘上筋
Anatomy
[起始]
- 肩甲骨の棘上窩
[停止]
- 上腕骨大結節上面
[作用]
- 肩関節0-15度の範囲にてメインの外転筋として働き、その後90度まで三角筋の補助となる。
Clinical Relevance
棘上筋腱炎と肩のインピンジメント症候群
インピンジメント症候群は、肩のインナーマッスルである棘上筋が、肩峰の下を通過する際に引っかかったり擦れたりしている状態を指し、棘上筋の腱に炎症を起こさせることがあります。肩を動かすと痛みやゴリゴリという音、肩にひっかかる感じがあり、特に腕を肩より高く上げて外側に開いたとき、痛みが増幅します。 また夜間寝ているときに、痛みが起こるのも特徴です。
~ Evidence-Based Exercises ~
EMGを用いた研究によると、棘上筋の筋収縮が強く現れたのは以下のトレーニングでした;
- Pendant (Prone) Shoulder External Rotation
- Full Can
- Empty Can
Pendant Shoulder ER
Full Can
Empty Can
< Reference >
- Keith L. Moore, Anne M. R. Agur, Arthur F. Dalley. Moore Clinically Oriented Anatomy 7th Edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2013
- Boettcher CE, Ginn KA, Cathers I. Which is the optimal exercise to strengthen supraspinatus? Med Sci Sports Exerc. 2009;41(11):1979-1983. doi:1249/MSS.0b013e3181a740a7
- Wattanaprakornkul D, Halaki M, Boettcher C, Cathers I, Ginn KA. A comprehensive analysis of muscle recruitment patterns during shoulder flexion: an electromyographic study. Clin Anat. 2011;24(5):619-626. doi:1002/ca.21123
- Reinold MM, Macrina LC, Wilk KE, et al. Electromyographic analysis of the supraspinatus and deltoid muscles during 3 common rehabilitation exercises. J Athl Train. 2007;42(4):464-469.