大臀筋

Gluteus Maximus

大臀筋は身体の中で最も大きく重い筋肉です。そのパワフルな特性から、階段の上りや走行など、下肢のパワーの高出力に向いていますが、通常の歩行ではあまり使われません。

多くの文献にて、この大臀筋の弱体化が下肢の怪我や外傷に繋がることが提唱されています。

大臀筋 モデル

大臀筋

Anatomy

[起始]

  • 腸骨稜
  • 上後腸骨棘
  • 仙骨
  • 尾骨
  • 仙結節靭帯

[停止]

  • 大腿筋膜の外側部で腸脛靭帯に移行
  • 大腿骨の殿筋粗面

[作用]

  • 股関節の(特に屈曲位からの)伸展
  • 股関節外旋の補助

Clinical Relevance

大転子部滑液包炎

重いものを持っての階段の昇降や、急な上り坂ダッシュなどの反復運動により、大臀筋とその上部腱組織が大転子の滑液包の上を前後に繰り返し擦ることで、大転子部の滑液包が炎症を起こすことがあります。

大臀筋が弱いのではなく上手く使われていないだけ!?

大臀筋は下肢の直接的な筋出力に重要なだけでなく、骨盤の傾きにも大切な役割を果たします。そんな重要な大臀筋ですが、徒手筋力テストにて弱体化が見られた際、そのまま『筋力不足』と決めつけてはいませんか?大臀筋は様々な要素から、その働きが最も抑制されやすい筋肉の一つです。以下がそれらの典型的な例です:

  • 股関節からの関節原性筋力抑制
  • 腸腰筋拘縮からくる、相反抑制
  • 股関節や腰椎、骨盤からくる痛みによる筋収縮抑制反射
  • 運動不足による協力筋(ハムストリング)の優位

~ Evidence-Based Exercises ~

EMGを用いた研究によると、大臀筋の筋収縮が強く現れたのは以下のトレーニングでした;

  • Forward Step-Up 

  • Single-Leg Deadlift 

  • Single-Leg Squat

Forward Step-Up

大臀筋 トレーニング

Single-Leg Deadlift

woman single leg deadlift

Single-Leg Squat

大臀筋 トレーニング

< Reference >