梨状筋
Piriformis
梨状筋は骨盤の後部に位置する筋肉の一つで、その名の通り梨のような形状をしています。この筋肉は大腿骨の動きのサポート、そして歩行や走行などの動作に必要な安定性に重要な働きを果たします。
なお、梨状筋は長時間の座位や過度な運動などで炎症を起こしやすい筋肉とされていて、梨状筋症候群を引き起こすことがあります。
梨状筋
Anatomy
[起始]
- 仙骨前面、仙結節靭帯
[停止]
- 大転子内側
[作用]
- 股関節の伸展位にて、股関節の外旋
- 股関節屈曲位にて、股関節の外転
- 大腿骨を寛骨臼の中心に安定させる
Clinical Relevance
梨状筋症候群 Piriformis Syndrome
梨状筋症候群は、坐骨神経の圧迫により引き起こされ、臀部の痛みを伴うことがあります。アイススケーターやサイクリスト、ロッククライマーなどの大臀筋に負荷のかかるスポーツを行う方や、女性に比較的多く発症する傾向があります。症例の50%は、臀部への外傷の既往歴があり、それによる梨状筋の肥大化と拘縮から引き起こされます。約12%の人々は、先天的に坐骨神経が梨状筋を貫通している作りになっていて、梨状筋の拘縮によりこの坐骨神経が圧迫されて引き起こされます。
~ Evidence-Based Exercises ~
EMGを用いた研究によると、梨状筋の筋収縮が強く現れたのは以下のトレーニングでした;
- Single-Leg Bridge
- Prone Heel Squeeze
- External Rotation and Abduction with Hip in slight Extension
Single-Leg Bridge

Prone Heel Squeeze

Hip ER/Abd/Ext

< Reference >
- Keith L. Moore, Anne M. R. Agur, Arthur F. Dalley. Moore Clinically Oriented Anatomy 7th Edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2013
- Giphart JE, Stull JD, LaPrade RF, Wahoff MS, Philippon MJ. Recruitment and Activity of the Pectineus and Piriformis Muscles During Hip Rehabilitation Exercises: An Electromyography Study. Am J Sports Med. 2012;40(7):1654-1663.